機能の複合化の先駆けとして本格採用へ

摘要

NECトーキンと日本ケミコンの提携による「プロードライザの2社供給体制確立」が発表された4月末以後，およそ2週間の間にNECトーキンの株価は約30％上昇した。 株式市場の評価は"プロードライザ実用化本番"だけでなく，仲田武彦新社長による新展開が目に見える形で動き出したことへの期待もあると思われる。しかしプロードライザは，従来の受動部品の枠を越えた，複合機能部品化の先駆けとなるもので，やはり注目に値する新規商品の出現である。 記者発表の資料より，NECトーキンが何を目指しているかを要約してみる。 IT産業発展の中核である半導体デバイスの進化では，素子の基本性能向上と機能の集積化が一体となって進められてきた。 ところが受動部品のキャパシタ，コイル，抵抗などでは，個々の部品の基本性能は進化しても，それぞれの機能は分立したままである。 キャパシタの場合は，エネルギー供給とノイズ吸収の2つの機能を有するが，そのノイズ吸収機能では周波数帯ごとに，次のように使い分けされている。