浮魚類の資源変動の機構解明、予測に関する研究

摘要

筆者の研究歴は魚群行動から始まった．水槽内の群れの詳細な個体の動きをトレースした観察と解析，そして魚群行動の個体ベースモデル化とシミュレーションによって群れの秩序と統一のとれた動きのメカニズムを明らかにした（Aoki，1980；1982）．この研究は水産分野よりもむしろ工学分野の関心を引いたようだ．リーダーがいなくても統一がとれた魚群の行動はプラクラル性や自己組織化臨界現象を持つ複雑系として再認識され，理論的にも発展し，魚道の設計などにも応用研究された．