サラシァ属植物の応用研究（上) : 「高脂食摂取マウスにおけるS、レティキュラタの脂質低下作用」

摘要

古来からメソポタミア、エジプト、インド、中 国、タイ、スリランカなどの伝統医学で用いられ てきた、天然薬物サラシァ属植物の機能性評価の 研究がいま内外の産学グループで進められてい る。京都薬科大、生薬学分野の吉川雅之教授、近 畿大薬学部、薬学総合研究所の村岡修教授、城西 大、薬学部の和田政裕教授らが学術的にその成分 分析、構造式、メカニズムについて研究を進めて おり、一方で産学グループがサプリメントの応用 開発に力を注いでいる。沼津工業高専、物質工学 科の芳野恭士教授ほかおよび(株)盛光の金高隆社 長、東海大、開発工学部の古賀邦正教授ら産学グ ループは、「高脂食摂取マウスにおけるサラシ ァ-レティキュラタの脂質低下作用」と「サラシ ァ-レティキュラタの卵アルブミン誘発I型ァレ ルギ一反応におけるマウス腹壁血管透過性亢（こ う，高）進性抑制作用」と題する研究論文をまと め、日本栄養、食糧学会、電気化学会にそれぞれ 報告した。脂質低下作用では、脂肪過多症など油脂の主成分であるトリグリセリド（TG)ゃ総コ レステロール（TC)、低比重リポタンパクコレス テロール（LDレC)の濃度上昇を抑制することを 明らかにした。またI型アレルギー反応に対して 反応を抑制することを認める成果を収め注目を集 めている。