食品機械用潤滑剤の最新動向-安全性規格の取得と、潤滑性能の追求による差別化戦略に拍-

摘要

現在国内で販売されている食品機械用潤滑剤の規格として認められているのは事実上NSF HIのみだ。ただHI登録 製品はあくまで「偶発的に食品に触れる可能性がある箇所で 使用できる潤滑剤」であり、FDA規定によれば「食品への混 入許容濃度はlOppmを超えないこと」とされてレゝる。参考まで に食品工場で使用されている用途別の潤滑剤を表1に示す。 こうした中、2006年に規格化されたIS021469がより一層注目 されるところとなっている。同規格は、食品機械用潤滑剤の製 造において、原材料の調整、製品の製造工程、運搬等の細部 にわたり高度の品質管理要求事項を規格、文書化したもの。書 面による内容成分の申告が所定の内容に合致していれば登録 できるNSF HIと異なり、ISOはその製造品質管理に及ぶ。具 体的には、製造工程から運搬に至るまでのリスク管理が徹底さ れ、特に登録申請時に提出された製品の内容成分の確認検 証が実施されるため、品質と安全性が保証される。すでに同規 格の認証を取得したメーカーの製品が流通しており、HI登録に 続くステップとして認証取得を検討するメ一カーが増えそうだ。