次世代施設園芸の振興施策について

摘要

施設園芸は野菜等の周年安定供給に貢献するとともに、農業者の所得の向上と地域の雇用創出 が見込まれる有望な部門です。我が国の施設園芸は野菜等の出荷期間を延長するため、ビニール トンネルや雨よけ施設から温室へ、さらには温室内の環境を制御できる装置の導入へと高度化してきました。温室の設置面積は約4万6千haで、このうち加温設備を備えた温室は2万ha、温 度や湿度、光等の複数の環境を制御できる装置を備えた温室は700haです（数字は平成24年）。農林水産省では、我が国の施設園芸の収益性を向上していくため、平成25年度より、高収益型 施設園芸の全国のモデルとなる「次世代施設園芸拠点」を全国10箇所で整備してまいりました。 次世代施設園芸は、高い生産性を実現しているオランダの施設園芸も参考に、①周年、計画生産 と収量の飛躍的向上を可能とする高度な環境制御技術の導入、②地域ェネルギ一の活用による化 石燃料依存からの脱却、③温室の大規模化と生産から出荷までの施設の集積による生産等の効率 化、コスト低減と雇用型の生産管理技術に取り組むもので、平成28年度中に全拠点が完成しまし た。2017年3月時点で、多くの拠点で生産が開始され、生産と経営の両面にわたり施設運営の円 滑化、安定化に向けた取り組みが進められています。