牛肉中のビーフシチューフレーバ一成分である12 メチルトリデカナールに対する影響要因

摘要

牛肉中のフレーバー成分である12 メチルトリデカナール（12MT)に対する影響要因を明らかにするため，各種 飼養条件で生産された牛肉のアルデヒド組成における12MTの割合をジメチルァセタール化して測定し，月齢およ び脂肪酸組成との関連を調査した。その結果，1)牛肉中の12MT割合は月齢との間に正の相関が認められたものの， 40力月齢以上の牛では加齢の効果は認められなかった。) n-6/n-3比率との間に負の相関が認められ，牧草摂取の 効果が大きいことが推察された。3)しかしTG_n-6/n-3比率が9以下の牛では，供試牛全体での傾向とは逆に正の相関がみられ，加齢と牧草摂取とは別の要因の存在が示唆された。4)12MT割合と偶数炭素鎖イソ脂肪酸割合と の間に極めて高い正の相関が認められ，バリン摂取との関連が示唆された