黒毛和種肥育牛の肥育後期におけるビタミンC製荆の給与が血液成分と枝肉成績に及ぼす影響

摘要

現在、黒毛和種肥育農家では素牛価格の高騰、飼料 等の肥育経費の増加および枝肉価格の低迷により、厳 しい経営状態に陥っています。そのため、枝肉成績を 向上させて、より付加価値の高い牛肉を生産する必要があります。枝肉成績は歩留等級（A-C)および肉 質等級（5-1)により決定され、肉質等級には牛脂 肪交雑基準Beef marbling Standards (BMS)の高低が 大きく影響しています。肥育期間中にビタミンAを欠 乏状態にするとBMSが増加すること〔1〕、ビタミンA の代謝産物であるレチノールが牛の脂肪細胞の分化を 抑制することなどの報告"〕から、肥育期間中の給与 ビタミンA量を調節して牛の血中ビタミンA濃度を低 くコントロールする飼養管理が一般的に行われていま す"'む"。しかし、ビタミンAコントロールの失敗 により、極端にビタミンA量が低下して、食欲低下、 筋肉水腫"〕、視力の低下m、肝機能障害〔8などの ビタミンA欠乏症に陥る牛も発生し、重度の場合には 死廃事故にも繋がる可能性があります。そのため、ビ タミンAコントロール以外にも枝肉成績を向上させる 技術の開発が望まれています。