韓国におけるイネホ鵬ルクロッフサイレ腑ジの研究と実証試験

摘要

韓国の畜産業では主に飼料として稲わらと濃厚飼料が用いられている．米消費量と水口面積が毎年減少していることの対策としてイネホールクロツプ（WCR）の生産∵利用の研究が2003年から行われてきた．農林省（MAF）はWCRの研究と普及のための計画と支援についての政策を決定している．高い生産性と安定性をもつ新系統の選抜，改良および栽培についての研究はNational lnstitute of Crop Scienceが行っている．実証試験研究プロジェクトにおいては，National lnstitute of Animal ScienceとExtension Service Bureau of Rural Development Administrationがサイレージ調製，適切な栽培方法，在来牛の“Hanwoo”と乳牛への給与効果，WCRサイL／－ジの品質改善のための新しい微生物添加剤の開発についての研究を進めている．全国で2005年には10力軌8haの実証展示モデルを，2006年には25カ所，20haの実証展示モデルを，2007年には（農家への普及と技術指導を含む）24カ所，20haの実証展示モデルをそれぞれ設けて研究を実施した。このプロジェクトに参加した農家は，「WCRを与えたウシに問題はなく，満足している．」と幸陪した．しかしながら，食用と飼料向けのイネの間の価格差を補うための補償が必要である．たいていの飼料イネはサイレージとして保管されるが，それらの品質は中庸である．ロールベールを牧草用ストレッチフイルムでラッピングしてサイレージにする方法が凱、られることが多くなL」，牧草を保管するための比較的新しい方法である．飼料としてのWCRの栽培を増やすために，より高い生産性と品質を有し，病虫害への抵抗性が高く，家畜の嗜好性がよく消化率も高い新しいWCR用イネ系統の開発に焦点が当てられてきた．また，WCR栽培に対する政府の支援の増加，（イタリアンライグラス，大麦ホールクロツプなどの）冬季の飼料作物収穫やロールベールやトレンチサイロを嶋緒に用いたWCRサイレージの流通量の増加に対する支援などの農家への政策的な支援にも関心が寄せられてきた．水田において，WCRのような高品質粗飼料の生産が増加すれば，環境にやさしい畜産業が可能であろう．