水稲湛水直播のためのべhモリ種子被覆技術の開発

摘要

水稲作では担い手の高齢化による減少と収益の低迷が問 題で，省力化と低コスト化が課題となっている.育苗が必 要な移植の代わりに水田に種子を直接播く 「直播」は，省 力的であるとともに，移植との組み合わせで作期の分散に よる作業の分散が図れ，規模拡大によっても低コスト化で きる技術である.直播面積は年々増加し，現在は水稲作付面積の約396で，今後も拡大が予想される.直播の約3分 の2が代かきした水田に播種する湛水直播で，残り3分の 1が畑の状態で播種する乾田直播である.水が止まりにく く雑草害が問題となりやすい乾田直播に対し，湛水直播の 問題は水稲の苗立ち（生存）が不安定なことである.この 要因は，代かきした土の中に種子を播くと酸素不足などの 理由で生育が遅くなり枯死しやすいことや，土の表面に種 子を播くと流されたり浮苗となったり，鳥に食べられたり することが挙げられる.