大分県猪串湾における有毒渦鞭毛藻Gymnodinium catenatumの出現と海水懸濁物中の麻痺性貝毒量およびヒオウギガイChlamys nobilisの毒化予察

摘要

GymnodiniumcatenatumGrahamは，Grahaml）によって1943年に初めて報告された無殻渦鞭毛藻の一種である。 本種は後に麻痺性貝毒（ParalyticShellfishPoisoning：以後PSPと称す）原因種として認知されるようになり，そのブルームは近年世界中で報告されている。日本においても1986年に山口県仙崎湾で初めて本藻の出現が報告されて以後，西日本を中心とする沿岸域でブルームおよび，二枚貝の毒化が報告されている。2－5）大分県の猪串湾でも1996年に初めて出現が確認5）されて以降，ほぼ毎年ブルーム引き起こしており，ムラサキイガイMytilus galloprovincialis，アサリRuditapes philippinarum,養殖ヒオウギガイChlamys nobilis tapesが問題となっている。