環東シナ海研究のこれまでとこれから 一国境を越えた海洋研究ネッ卜ワークの 充実に向けて一

摘要

東シナ海はかつて世界有数の漁獲高を誇つた国際漁場 であったが，様々な人為影響によって環境の劣化が進 み，資源の減少が指摘されている。また，近年では局地 要因による環境劣化に加えて，地球規模の環境変動が生 態系に及ぼす影響が懸念されている。東シナ海の環境と資源の保全、回復を目指して，これまで様々な研究が沿 岸国の水産、海洋関係の研究機関を中心として行われて きた。また国際連携の模索も様々に行われている。しか し，各国研究機関の間での情報の伝達、共有は必ずしも 十分ではなく ，個々の優れた研究成果が東シナ海を取り 巻く諸問題の解決に有効に活用されているとは言い難 い。本ミニシンポジウムは，東シナ海の環境保全と水産 資源の持続的利用に向けて，各国研究機関が行ってきた 研究活動を総括するとともに，将来へ向けた課題を抽出 することを目的として企画した。