ンを用いた正確で簡便なボーエン比法の開発

摘要

土地利用などの違いによる都市郊外の気温の違いは数百メ一トルで5-7°C近くになることが報告されて いる（YokoboriandOhta,2009)。気温差の原因として、樹木や草本による蒸発散の効果や、コンクリートと 土壌面といった土地被覆による違いが挙げられている（Myryp, 1993)。関連する多くの研究では、熱収支 観測を行い、顕熱、潜熱を求めることで微気象の違いを明らかにしている。熱収支から顕熱、潜熱を推定 するには、近年渦相関法が正確であるものの、機器の設定が煩雑である。また、大気中の交換速度を風速 から推定することで顕熱潜熱を求めるバルタ式法があるが、前者と同様に、風速観測機器は高価でかつ電 源を必要とするため、観測される場所がかなり限定される。一方で、1高度の時系列データから各フラッ クスを推定するHalf-order time derivative法（Wang and Bras, 1998)などの推定式もあるものの、微細な違いを 求める必要がある微気象観測にとっては、その推定誤差は無視できない。そのため、簡便に微気象の熱収 支観測を行う際には、最も古典的な方法であるボーエン比法は採用しやすい。