栄養と繁殖：乳牛の低受胎率の原因とその克服

摘要

1950年代、アメリカの乳牛の受胎率は66%で あったが>、今では40%前後まで低下している。 乳牛の遺伝的な泌乳能力が高くなるにつれ受胎率 が低下しているという事実から、過去数十年の高 乳量を追及する遺伝改良が、間接的に繁殖能力の 低t、牛を選抜してきたのではないかと危惧する者 もいる。高泌乳牛は、発情の徴候も弱く、発情の 持続時間も短いそのため、高乳量の追求と良 好な繁殖成績は雨立するのかという疑問を持つ生 産者も大勢いる。しかし、全体的な傾向として乳 牛の受胎率が低下しているにもかかわらず、現在でも50-60%の受胎率を維持している優秀な酪農 家が存在しているのも事実である。牛一頭一頭を 観察して判断する場合、高乳量と高受胎率が両立 し得ることは簡単に理解できる。生産者の飼養管 理ゃ栄養管理が優れていれば、分娩移行期の問題 も少なく、牛のエネルギー状態は良くなる。エネ ルギ一状態が良ければ、ピーク乳量は高くなり、 強い発情がきて、受胎率も良くなるはずである。