中国雲南省に生育するマツタケのrDNA領域の多様性

摘要

中国から日本へのマツタケ輸入量は年々増加する傾向にあり，2001年の輸入量は，日本のマツタケ消費量の61．9％（1,553t）に達している。 中国におけるマツタケの主要な産地は，吉林省，雲南省，四川省であり，そのうち雲南省や四川省においては，広葉樹林においても子実体の採集が行われている。日本におけるマツタケの宿主はアカマヅなどの針葉樹のみであり，中国の広葉樹林に発生するマツタケが日本産のマックケと同種であるのかについては明らかにされていない。 そこで，本研究では，雲南省産のマックケと日本産のマックケとの遺伝的関係を明らかにするために，rDNA－ITS領域の塩基配列の比較およびrDNA－IGSl領域のPCR－RFLPパターンの比較を行った。