農業用透湿防水性シー卜の被覆が東北地域の屋外における 籾米含水率と貯蔵時の品質に与える影響

摘要

近年，水田の耕作放棄解消と輸入濃厚飼料にかわる国産濃 厚飼料の増産が必要なことから，戦略作物として飼料用米の 生産が拡大している。わが国の穀物飼料の大部分は輸入に依 存しており，なおかつ飼料用米は牛，豚，養鶏といった多様 な畜種で利用可能なことから国内の潜在的な需要は大きい。収穫された飼料用米の籾米は通常，食用米と同様に共同乾 燥施設のあるライスセンターや力ントリエレベータへの輸送が必要となる（福田2010)。また，共同乾燥施設内では食用 米への飼料用米の混入を避けなければならないうえに，食用 米の乾燥が優先される。そのため，飼料用米の収穫と共同乾 燥施設の利用は食用米と重複しない期間に行わざるえない (星ら2016)。さらに，乾燥後には飼料用米を利用するまで の期間，貯蔵できる施設の確保も課題となる。飼料用米のさ らなる普及のためには，共同乾燥施設に依存しない乾燥方法 と屋外を利用した貯蔵方法の開発が求められる。