ある小規模ため池の現地締固め試験と二三の考察

摘要

小規模ため池（O－池，堤高11．0m，場長90m）の改修に伴い，低コストかつ効率的な転圧試験を行おうとした。 その手法（層厚測定に重点）と知見を報告する。これはロックフィル材にも適用可能である。 大規模土工では，施工前に現地蹄固め（転圧，盛土）試験が義務付けられている。その締固め効果の判定は，密度に頼る機関が多ぐ），RI機器が一股的になろうとしている。 一方で砂置換法も広く用いられているが，これは誤差の出る要素（試験孔の掘削，置換用の砂，試験孔内の土の重量，含水比の測定等）が多い。 したがって，そのつど3個以上サンプリングする必要がある。 予算的，時間的にも制約が多い小規模のため池の転圧試験に，これをそのまま適用して，正しく結果を得ることは不可能な場合が多い。また含水比の測定は昔ながらの手法（フライパン法等）も行われ，測定精度も悪い。 　 しかも，小規模土工では「品質管理」は頻繁に行えず，実質的には「工法管理」に近い場合（「25cm撤出し，20cm仕上げ」等）が多い。 したがって，その工法，管理方法を決定する転圧試験は極めて重要である。