抗アレルギー茶「べにふうき」緑茶の開発

摘要

茶(camellia sinensis)は，近年，生理機能性が多数解明され注目されてきた嗜好飲料である。 茶はツバキ科の相物で，製法的な違いから，不発酵茶（緑茶；蒸したり妙ったりして酸化酵素を失清させてから撮む茶），発酵茶（紅茶；熱をかけずに十分酸化させた茶，ウ一口ン茶や包種茶；少し酸化萎凋（しおれさせること）させてから熱をかけて酸化を止める半発酵茶，黒茶や阿波番茶；熱処理した茶葉を微生物で発酵させた後発酵茶）に分けられる。 茶菓には，カテキン類（渋み），カフェイン（苦み），各種ビタミン（C，B，A，E），テアニン等のアミノ酸（旨み），フラボノイド，微量金属類，食物繊維，サポニンなどが含有されている。 そして，数多くの生理機能性が報告されているのがポリフユノーリレ類のカテキンである。 緑茶に含まれて’いるカテキン類は10～20％で，その主要なものは，カテキン類の約半量を占めるエビガロカテキンガレート（EGCG），その他エビガロカテキン（EGC），エビカテキンガレート（ECG），エピカテキン（EC）である。 紅茶にはそれらの重合したテアフラビン（TFl），テアフラビンー3－ガレート（TF2A），テアフラビン-3-ガレート（TF2B），テアフラビン-3-3，－ジガレート（TF3），テアシネンシン類が含まれている。 特にEGCGは，茶以外の棉物では見いだされていない特殊な成分である。 また，筆者らは最近，生理機能性の高いエビガロカテキン-3-0-（4-0-メチル）ガレート（EGCG4”Me）という新規なカテキンも茶葉中に見いだしている。 近年では，抗酸化作用，抗腫瘍作用，発ガン抑制作用，血圧上昇抑制作用，抗菌作用，抗ウイルス作用，抗う蝕性，抗アレルギー性，消臭作用，脂質代謝改善作用等の生理機能性が数多く解明され注目を集めている。 ここでは，最近，わかってきた茶の抗アレルギー作用を紹介する。