日本における小中学生を対象とした体験教育旅行 －農村地域活性化政策との関連で－

摘要

地域活性化に向けた取組には様々なものがあるが、ハコモノ開発などによらない、ソフト的手法の一つとして、グリーン、ツーリズムがある。わが国で、「グリーン、ツーリズム」　という語が一般に知られるようになったのは1990年代初頭であり、バブル経済が終焉を迎え、日本経済全体が低成長に移行した時期とほぼ重なるとみることができよう。　日本の農村の中には、このグリーン、ツーリズム（GT）毎一環である教育旅行を通じて小中学生等を受け入れ、地域活性化に役立てようとしている地域がある。これに関連して、国では、小学生の農林漁業体験を進める　「子ども農山漁村交流プロジェクト」事業が進められており、全国2万3千枚の小学校（1学年約1200万人）を対象として、今後5年間に約500の地域で1週間前後の交流、滞在が計画されている。