農村公園整備の仮想状況評価額に影響する要因とWTP関数移転の可能性－個人属性，整備状況，立地状況の影響に関して－

摘要

農村総合整備事業や中山間総合整備事業の1工種である農村公園は，農村地域のコミュニティの醸成，レクリエーションの場の提供等，地域のアメニティ機能を高めることを目的に整備される。完成した公園施設は，非排除性，非競合性が強いことから，地方自治体が造成,管理,運営主体となる場合が大半で，市場を通じた価値評価の機会は限られている。 つま，農村公園は，生産性向上や経費節減のような経済指標に基づいて便益を算定することが困難な施設であり，このことが，農業農村整備の対象工程の中で，費用便益分析の導入が遅れている理由につながっている。