ブルガリァにおける借入農地の交換分合と耕作放棄農地の利用一小規模農地所有制の下での大規模経営の成立とその課題一

摘要

ベルリンの壁が崩壊した1989年を境に，東欧諸国が 社会主義体制から民主主義体制に大きく転換したのは周 知のことである。しかし.その経済的な立場は，ソヴィ ェト連邦の周辺国から西欧諸国の周辺国に変わったにす ぎず，自立的な経済発展が約束されたわけではない。農 業部門では，計画経済による国際分業の下で享受してい た果樹や野菜の生産機会が失われ，現在では，付加価値 の低い穀物の単一生産を余儀なくされている。周辺化へ の圧力は.自由経済の下でむしろ強くなつたと言える。