近年の大規模水田作農家における経営面積規模と家族労働力等の関係—2010 、 2015年農林業センサス個票を用いた分析からの接近一

摘要

これまで都府県の水田農業を担ってきた中心的世代 である昭和ーケタ世代の農業からのリタイアに伴って， 農地の流動化が加速している.し力、し，地域によって はこれら流動化した農地を大規模農家だけでは受けき れないところも存在する.安武'千田(2014)は，2005年及び2010年農林業センサスデータを利用したマルコフモデルから将来予測を 行レ、，既存農家の規模拡大だけでは流動化農地を引き 受けきれないことをマクロ的な視点から指摘している. さらに平林、小野(2015)は，岩手県花卷巿のある旧村を 対象に10年以内の離農予測と大規模農家の規模拡大 意向面積を大字単位で把握し，離農による流動化予想 面積が大規模農家の規模拡大意向面積を上回る地域 (大字)が存在することを現地の事例調査から明らかに している.