震災による生活行動への影響と住民主体の生活圏再編成: 宮城県山元町を対象として

摘要

東日本大震災の発災から2年10ヶ月が経過し，この 間に被災した方々は避難所から仮設住宅に移り，現在は 災害公営住宅等の本設住宅の建設、入居が進み，復旧、 復興の進涉にあわせて住まいを変えてきている。これま での住居を中心とした通勤，通学，買物，医療など，日 常生活における仕組みが崩れ，その立て直しが生活再建 の問題として上げられている。また，避難生活から住宅 再建までの過程において，既存の集落を基礎単位として 計画するなど，コミュニティの維持に対する工夫が施さ れているものの，移転のたびに少なからず影響を受けることは否めない。希薄化している人々の「縁」の再生は， 今次震災における大きな課題の1つとなっている"。