農山村地域における地域活性化を目指した実名SNSの普及: 類型化による潜在的利用者への接近法

摘要

少子高齢化や地方財政の悪化，地域コミュニティの衰 退が国家全体で進む中，農山村地域においてその傾向は 特に顕著である。一方で，インターネット環境の整備が進展するにつれ.ICT (情報通信技術）は，生活利便性の向上のみならず， 新たなコミュニケーシヨン機会の創出に寄与するものと して期待が高まっている"。前納（2012)は，ソーシャ ル'メディア，特にSNS注"をプラットフォームとして 展開し，その上で情報の共有を促すことで，地域を超え た新たなコミュニティが創造される可能性がある2'と論 じており，外部との交流を通じて地域に対する客観的な 視点を取り入れることで，地域のアイデンティティが再 確認される効果も期待される。また，地域の情報を発信 し，それらが住民に共通の情報として地域内で共有され ることで，地域としての共通性が再想像され.コミュ二 ティ機能の強化に結びつく可能性がある31という指摘も ある。