東日本大震災後の町内会活動の動向と課題 一岩手県釜石市を事例として一

摘要

東日本大震災の被災地では，仮設住宅の集団入居が叶 わず，分散居住を強いられた地域が多く，コミュニティ の維持が困難な状況となっている。活動が休止状態の町 内会や解散した町内会も一部ではある一方，困難な状況 の中でも活動を継続、再開している町内会もある。東日本大震災から，2年が経とうとしているが，多く の地区でようやく防災集団移転事業などの事業着手に目 途が立ち，住宅再建に向けて目に見えるかたちで動き出 す段階になったといえる。また，被災者にとっては，今 までは住宅跡地や移転候補地の売却、買い取りの価格な どの具体的な情報もない中で，住宅再建の判断を先延ば しにしてきた人も，具体的な決断を迫られる時期に来て いる。