殖生産性の異なる3つの農場グループにおける雌豚の 再種付け間隔と分娩成績との関連性

摘要

本研究の目的は，繁殖生産性で分けた農場グループによる雌豚の再種付け割合，そして再種付け間隔 (RI)と分娩割合および次産時一腹当たり生存産子数の関連性を調査することとした。農場は5年間の平均年 間種付け雌豚当たり離乳子豚数の上位と下位25%により，3農場グループ（高，中，低繁殖生産性農場）に分 類した。110農場が保有する55,866頭の318,374回の種付け記録を分析に用いた。RIは11-59日までの，7日毎 の5グループと，60日以上のグループに分類した。未経産豚，経産豚共に再種付けの発生割合は，高繁殖生 産性が低繁殖生産農場よりも低かったが（P く 0.05)， RIは農場グループ間で有意な差は見られなかった。ど の農場グループにおいても，未経産豚は分娩割合と次産時一腹当たり生存産子数においてRIグループ間で有 意な差は見られなかった。一方，経産豚では，高および中繁殖生産性農場のRI18-24日のグループはRI 25-38日よりも分娩割合が低かった（P く 0.05)。さらに経産豚は，どの農場ダル一プ内でもRIグループ間で次産 時一腹当たり生存産子数に有意な差は見られなかった。結論として，本研究の結果から，RIグループは再種 付け割合ほど農場繁殖生産性に対して重要な意味を持たないことが示唆された。