PCR法による個体乳およびバルク乳からの牛白血病ウイルス特異遺伝子の検出

摘要

地方病性牛白血病（EBL）は，Retroviridae，“BLV-HTLV retroviruses”に属する牛白血病ウイルス（BLV）に起因する腫瘍性疾病であり，このBLVによる感染は，少量かつ短期間のウイルス発現による長い潜伏期と持続的な免疫応答が特徴的である。BLV感染牛の約30％以上が，Bリンパ球の持続的な非腫瘍性増殖である持続性リンパ球増多症を起こす。 また約10％未満が長期の潜伏期を経て，Bリンパ球のオリゴクローナル性あるいはモノクローナル性の腫瘍性変化を起こし，EBLと総称されるリンパ性白血病あるいは悪性リンパ腫を発病する。