馬におけるビスフ才スフ才ネー卜の使用： いいところとそうでないところ

摘要

ビスフォスフォネート（BP)は，骨ミネラルへ の強い親和性と，破骨細胞の機能抑制（骨吸収抑 制）を併せ持ち，ヒトでは高齢者の骨粗鬆症に伴 う骨折リスクの低減になくてはならなし、薬剤と なっている。一方，獣医療では，遠位種子骨の 骨破壊を特徴とする馬の「ナビキユラ一病」の 治療を目的に，アメリカ食品医薬品局（FDA)に よる適応承認を受けているが，その疼痛緩和作 用のみならず，本薬剤の本来の機能である破骨 細胞機能抑制を介した骨吸収阻害効果について も，十分な根拠データが集積されていない。一 方で，長期投与によって骨折リスクが増す，あ るいは骨折治癒能が低下するなど，BPの副作用 に関する懸念も高まっている。馬の獣医学にお けるBPの長所と短所に関する現状理解を議論 し，将来的なその有用性に注目したい。