北海道での放牧酪農のD向と 牧普及の鍵を握つた人たち

摘要

私が「放牧酪農」にかかわっていくことになったのは1998年、学生時代に訪問した北海道十勝管内清 水町の橋本晃明牧場でのことだった。当時の私は、 北海道で一般的な飼養形態は舎飼いで、放牧酪農は ほhのわずかな限られた人たちによる取り組みでし かなかったことをまだ知らなかった。この年、国際 農業コンサルタントのエリック.川辺博士やニュー ジーランド（NZ)から来た講師陣による勉強会に %加し、参加者同士の非常に熱を帯びた議論や、講 師らが語る放牧の技術や理論に強い興味を抱いた。 当時の参加者たちは全く新しい技術に挑戦するとい う興奮に包まれ、仲間意識がとても強かった。彼ら は現在、放牧酪農の中心となっている人たちである。 放牧酪農は今でも、誰もが気軽に取り組めるよう な一般化された技術とはいえない。今日までに何度 も放牧酪農ブームが起こってきたが、最近やっと放 牧が飼養形態の一つとして着実に認められつつある ように思う。そこで放牧酪農にかかわつてきた1人 として、これまで北海道で行われてきた放牧の取り 組みや私が知る放牧の姿を記してみたい。