ァカスジカスミカメ成虫の飼育条件下での産卵能力と生存日数

摘要

ァカスジカスミカメ Stenotus rubrovittatus (Matsumura)は，イネOyza sativa L.枒より吸汁を行い斑点 米を発生させる.本種による斑点米被害は，1983年に宮城県で（高橋ら1985)，1984年に広島県で（林 1986)問題となり，現在では北海道道南地域を北限に（柿崎2004)九州までほぼ全域に分布することが確 認されている（渡邊'樋ロ 2006).本種は同じカスミカメムシ科に属するァカヒゲホソミドリカスミカメ Trigonotyluscaelestialium (Kirkaldy)と同様に斑点米被害を弓き起こすカメムシとして，今後最も警戒を要 する種と考えられている（渡邊'樋口2006).本種は，イネ科植物を主な寄主とし，穂に対する依存性が強 い.そのため，成虫はイネ科植物の穂を求めて転々と移動し，イネが出穂すると水田に飛来し加害する（林 1986;林、中沢1988).本種の寄主植物間の移動や水田での加害実態を考えた場合，基礎的知見として雌の 産卵能力や成虫の寿命について明らかにしておくことは重要である.本報では，飼育条件下での本種雌の 日当たり産卵数の推移と雌雄の生存日数について報告する.