乳牛における内部寄生虫数、特に搾乳牛の第四胃における消化管線虫数の分析

摘要

1979年2月、1980年2月の1年間に渡って，毎週4頭の乳牛を検査し，消化管内線虫の汚染状況を検討した。 雄成虫の同定に基づいて見てみると，オステルターグ胃虫（94％）および毛様線虫（75％）が最も頻繁に観察され，また捻転胃虫は観察されなかった。 総寄生虫数は0（1乳牛）から100，890匹であった。 総寄生虫数の幾何平均値は3，011匹であった。 発育停止期幼虫の幾何平均値は685匹であった。 成虫寄生数のうち，85％以上はオステルターグ胃虫であり，約12．5％は毛様線虫であり，残りの3％は他の種類の線虫であった。 成虫寄生数と乳牛の年齢，第四胃重量および乳量との間の相関は認められなかった。 オステルターグ胃虫の成虫寄生数は7月～9月の間が最も高かった。 発育停止期幼虫数および寄生の割合は冬季に最も高く，夏季に最も低かった。 オステルターグ胃虫とは異なり，少数ながら毛様線虫の発育停止期幼虫が9月から観察されるようになった。 全く放牧しない農家における乳牛は，年間の一定時期に放牧させている乳牛と比べて，成虫寄生数は非常に少なかつた。