携帯型超音波診断装置の活用，特に繁殖検査に おける画像診断技術の習得

摘要

近年，超音波診断装置は充電式で携帯型のものが 市販されるようになり，価格も安価で，機能も充実 し産業動物の臨床現場に急速に普及してきた。携帯 型超音波診断装置による検査は，煩雑な操作は必要 なく，プローブを観察部位にあてるだけで誰でも簡 単にでき，特に，繁殖の分野でその効力を発揮して いる。しかしながら，正確な診断を行うには，正確 なプロ一 ブの操作と得られた画像の読解力が必要で あり，その技術の習得には経験を要する。曾於農業共済組合家畜診療所では，2006年に試験 的に携帯型超音波診断装置を1台導入し，その有効 性を確認した上で，その後計画的に導入配備してき た。主な目的は早期妊娠鑑定と繁殖障害の診断、治 療であるが，その他にも運動器病，内科、外科疾患 等の診断にも応用している。