木造建物の断熱性能診断の普及に向けた技術検証 その2 断熱診断技術の活用事例とZEH 化断熱改修物件への適用

摘要

ZEH を目的とした当建物の断熱改修において、断熱診断を実施することにより以下の点を確認した。①竣工後11 年経過した建物の断熱性能が概ね初期性能を確保していることを明確化②納まりが複雑な部位における断熱性能の低下を確認（壁内通気の存在）③改修後において求めたZEH を目指す高性能な設計性能を現地でも確保されていることを確認④性能確保が明らかとなった既設断熱材を活かした断熱改修が性能向上及び資源保護等において有効本報では、試みの一つとして既設断熱材の性能確保の度合いを本診断により数値化し、一定性能が確保されていればそのまま再利用して断熱改修する手法を述べた。今後、拡大するリフォーム市場において低コスト、省資源、省廃棄物を実現できる改修手法はユーザーニーズが高くメリットも大きいため、本診断と組み合わせた改修工法の構築が望まれる。