乳牛におけるフレッシュチェック時の血中betaヒドロキシ酪酸濃度と分娩後60日までの排卵との関連性

摘要

北見管内3農場で分娩した乳牛173頭について、分娩後約30日で一般的に行われているフレツシュチェック時 に、ポータブル測定器を用いて血中15ヒドロキシ酪酸（BHBA)濃度を測定した。分娩後60日までの排卵の有無、 各個体の周産期疾病の有無、フレッシュチェック時の子宮腔内貯留物スコア、農場、分娩季節、初産牛か否か についても調査し、BHBA濃度との関連について検討した。分娩後60日までの排卵を目的変数とした多変量解 析の結果、有意差が認められたものは、血中BHBA濃度1.8 mmol//より高い個体（調整済みォッズ比0. 42、 /> = 0.0258)、秋に分娩した個体（調整済みォッズ比2. 91、》 = 0.0404)、 2産以上の経産牛（調整済みォッズ比3. 6、 》 = 0.00204)であった。分娩後約30日で行われるフレッシュチヱック時の血中BHBA濃度の測定は、分娩後の 排卵の有無を予見する上で有効な指標になりうることが示唆された。