GIS活用のための環境情報の電子化と公開

摘要

日本の国土は南北に約3,000kmあり，気候も亜熱帯域から亜寒帯域までの気候が見られ，多様な生態系と特色ある置かな自然に恵まれている。 しかしながら人間活動の活発化にともない，われわれをとりまく自然環境にも種々の変化が生じてきた。近年では，日本では，メダカやホタルなどかつては普通に見られた野生生物が姿を消したり，減少したりしていることが明らかにされ，熱帯地域の開発など種々の要因による地球規模での生物種の絶滅の進行が広く知られるようになっている。こうした自然環境をめぐる問題の抽出や，その解決に向けた対策づくりのためには，まず自然環境の現状と時系列的変化を的確に捉える調査の実施が不可欠である。 このわが国の自然環境と生物多様性の現状を把捉し，客観的な情報として広く提供するため，環境省自然環境局では全国レベルで自然環境の調査を実施し，その成果を提供してきた。 調査成果は，報告書のほか，さまざまな主題図として公表しており，自然環境保全，生物多様性保全施策の策定支援や環境アセスメントの基礎資料および調査研究等に利用されている。