鹿児島市におけるアリモドキゾウムシの突発発生場所の温度記録

摘要

鹿児島市内の団地とその周辺で1997年8月に突発発生が確認され，根絶防除の結果，約10カ月後に根絶が確認されたアリモドキゾウムシの発生源は，植物防疫法で移動が規制されているにもかかわらず，5月3日に5 kg詰め郵便小包として奄美大島から鹿児島市の団地住人宛発送され，半分が消費された後5階建て住宅2階のベランダで箱に入ったまま放置されていたサツマイモであった（伊藤ら，1999）。 伊藤ら（1999）は，サツマイモの配達時に寄生していたアリモドキゾウムシの態は卵であったか，又は同イモで生育し羽化した成虫が産卵を開始したと仮定し，発生当時の鹿児島市の平均気温とMULLEN（1981）の発育期間の報告から発生経過を推定した。