ソメイヨシノの枝内におけるサクラてhぐ巣病菌の越冬部位の解明

摘要

サクラてhぐ巣病は，子のう菌類のTaphrina wiesneriによって引き起こされるサクラ類の病気である。本病は 世界の温帯地域で広く発生しており，我が国では沖緙県 を除く九州から北海道まで被害が確認されている（松下 ら，2006)。サクラてhぐ巣病の被害樹種は，ソメイョシノ，ャマザクラ，ォオヤマザクラ等であり，特に全国 的に広く植栽されているソメイヨシノが本病により大き な被害を受けている。本病の発生は100年以上前から知 られており，明治初年には，幕府の医官であった大淵祐 玄が，東京向島墨田堤上のサクラに大発生したてhぐ巣 を病害と考え，病枝を除去することにより治療したとさ れている（白井，1914)。また，1895 (明治28)年には， 本病の病徴や病原菌の形態に関する最初の報告がなされ た（白井，1895)。