土耕長期越冬作型トマ卜におけるタバコカスミカメを中心とした害虫防除体系

摘要

施設栽培トマトにおける害虫防除の主な対象はいうま でもなくコナジラミ類である。タバココナジラミはトマト黄化葉卷病の病原ウイルスであるTomato yellow leaf curl virus (TYLCV)を媒介し，多大な減収をもたらす。 最近では，Tomato chlorosis virus (ToCV)によって引 き起こされるトマト黄化病も問題となっており，このゥ ィルスはタバココナジラミだけでなくオンシッコナジラミによっても媒介される。これらのことから，コナジラ ミ類を低密度に抑制することがトマト栽培における病害 虫管理のうえで最も重要视される。しかし，これらコナ ジラミ類は各種化学合成殺虫剤に抵抗性を発達させてお り，有効な薬剤が限られてきている。また，有効とされる剤も栽培期間中における散布回数制限があるため，適 切なタイミングでの使用を考えなければならない。