IgE抗体誘発皮膚炎モデル動物および卵白アルブミン経口投与後の血中IgE濃度に及ぼすにがりの作用

摘要

ab:にがりの，IgE抗体により誘発される皮膚の反応に対する抑制効果をモデルマウスを用いて比較検討した。 にがりを投与したマウスにおいて，IgE抗体処理により誘発された即時型および遅延型反応は対照群と比較して有意に抑制された。 また，にがりの主成分である塩化マグネシウムには有意な抑制は認められなかった。 BALB／c系雌性マウスにovalbuminを10週間経口投与すると，血中IgE濃度が統計的有意に上昇するが，にがりの投与はovalbuminによる血中IgE濃度の上昇を抑制することが明らかになった。 このような結果は，にがりがヒトのアレルギー性皮膚炎の病的状態を改善する可能性を示すものである。