花が開くしくみ

摘要

チューリップの花は，朝に開き，夕方に閉じる。 部屋の中では，人為的に，温度を上げると開き，温度を下げると閉じる。 1953年，イギリスのウッドはこの開閉運動のしくみを知るため，1枚の花びら（花被）を外側と内側の2層に分けて水に浮かべた。水の温度を上げると，花びらの内側は敏感に反応して急速に伸びた。しかし，外側はゆっくりとしか伸びなかった。逆に，水温を下げると，花びらの内側ははとhど伸びないのに，外側は急速に伸長した。 これらの結果は，「気温が上がると，花びらの内側が外側よりよく伸びるために，外側に反り返る。それが開花現象となる。 逆に，気温が下がると，花びらの外側が急速に伸びるのに，内側がほとhど伸びないため，外側への反りがなくなり，開花する」という花の開閉のしくみ（図1）を示している。