イノシシの行動や習性を理解して対策に繋げよう/イノシシ生態学入f3 4(3)りイノシシの侵入防止技術

摘要

昨年9月9日、日本では26年ぶりとなる豚コレラが養豚場において発生し、その5日後には野生イノシシにおける感染も確認されました。それから1年以上が経過した現在、野生イノシシを対象とした野外でのヮクチン散布や、豚へのワクチン接種などの対策が進められています。しかし、野生のイノシシ個体群における豚コレラウイルスの感染拡大は止まっておらず、ワクチン接種が実施されていない地域では、野外からのウィルス侵入に対して警戒する必要があります。また、豚へのワクチン接種が進められている地域においても、全ての個体が十分な抗体を得るとは限らないこと、ワクチンを接種した農場に野外由来のウィルスが侵入すると双方の区別がつかない(ウィルスが消失し、抗体のみ残存している場合)ため、防疫に支障を来たす可能性があり、やはり野外からのウィルス侵入に対して警戒する必要があります。さらに、ワクチンが存在しないアフリカ豚コレラの国内侵入リスクを考えると、全国の農場における飼養衛生管理水準の向上は必須の状況です。基本的には、飼養衛生管理基準の遵守にっきます。しかし、衛生管理区域へのイノシシ侵入防止対策は養豚業界ではそれほど取り上げられてきませhでした。本稿では、技術的な解説を施したいと思います。