沖繩県における農地保全を目的としたべチバ(Vetiveria zizanioides)の適用事例

摘要

沖緙県では，耕土流出防止策の一つとして圃場レベルではグリーンベルトの設置が薦められている.本稿では，グリーンベルトとしてべチバ（Vetiveria zizanioides)を導入する場合の有効性，導入し た農家の評価等の聞き取り調査，および，ベチバを導入した地区の生育調査についてまとめた.聞き 取り調査では，ベチバは1)雑草化しない，2)初期生育がよい，3)栽培管理が容易，4)耐倒伏 性-耐踏圧性に優れる，5)マルチング材に利用できる等の特性があり，導入した農家もメリットを 認めていることがわかった.生育調査では，植栽後1年半から2年程度で耕土流出を抑制できること， および，植栽直後の活着能力が他の植物に比べて高いことがわかった.ペチパの普及に向けての今後 の課題は，1)耕作者の耕土流出防止に対する意識の向上，2)普及体制，栽培指導体制等の整倫， 3)ペチパの認知度の向上等が考えられる.