次の課題としてテルビウムの議論が必要に

摘要

希土類の世界供給をはば独占する中国では，同国政府が採掘や輸出への規制を強化しており，将来的な安定供給に懸念が広がっている。経済産業省などはこうしたレアメタルの資源問題に対し，①社会的な重要性，②日本の産業競争力，、⑨関連業界の市場規模，などの政策効果を考慮し，優先順位をつけ対策に乗り出す。 希土類では，Nd-Fe-B系焼結磁石に使用されるジスプロシウム（Dy）は省資源·代替材料の技術開発，資源探査·探鉱，リサイクルの技術開発など，川上から川下にいたる対策が取られ始めている。 蛍光体に使用される元素では，中国の酸化ランタン，ユーロピウムなどの輸出量は大きく減っておらず，輸出単価（FOB中国）の値上りだけが問題となっているが，今後は日本の蛍光体や照明·ディスプレオ産業の優位性を保っうえで，資源問題の検討課題としてテルビウムの議論が必要となっている。