米国の利上げが新興国経済に与える影響2017年は新興国からの資金流出リスクに留意

摘要

FRB（米国連邦準備制度理事会）は、2016 年12月に開催したFOMC（連邦公開市場委員会）において1年ぶりとなる利上げを実施。具体的には、FFレート（フェデラル·ファンドレート）の誘導目標を0.25～0.50%から0.50～0.75%へと0.25%だけ引き上げた。2016年を振り返ると、もともと年初の時点では2016年中に4回の利上げが見込まれていた。しかし、年明け早々の金融市場の混乱や6月のイギリスでの国民投票におけるEU（欧州連合）離脱決定といった政治イベント等を受け、なかなか利上げに踏み切れなかった。それがようやく年末に1回の利上げが実現したという恰好である。