うつ血性心不全の身体所見の重要性

摘要

うつ血性心不全において，身体所見はなぜ重要 なのだろうか？それは，うつ血性心不全の診断基 準であるFmmingham診断基準(表1)"を見れ ば一目瞭然である.この診断基準は，かの有名な Fmmingham疫学研究で心不全のイベント判定の ために1970年代に提案されたものである力ろ今日 でもいまだ広く活用されている.その診断大項目は， 病歴(発作性夜間呼吸困難あるいは起坐呼吸）と 身体所見(頸静脈怒張，ラ音聴取，in音)，さらに 胸部X線所見(心拡大)から構成されており，脳性 ナトリウム利尿ペプチド(BNP)などの採血検査，心 エコーなどはあくまで補助的な扱いであることがわ かる.わが国の診療の現場ではまだその意識が薄 レゝが，原則として心不全は，病歴と身体所見で診 断するベッドサイドの疾患なのだ.