抗血栓療法（抗血小板療法?抗凝固療法）の現状と課題

摘要

脳梗塞急性期の抗小板療法として，アスピリン160-300mg/日の投与の有効性が確立している。また，軽症脳梗塞および一過性脳虚血発作に対する21日間のクロピドグレル+アスピリンの併用療法も有益性と安全性が大規模臨床試験で示されている。一方，脳梗塞急性期に抗凝固療法を行うことを支持する明確なエビデンスはなぐ直接作用型経口抗凝固薬の有益性について現在検討中である。オザグレルやアルガ卜ロバンの使用は日本での臨床試験を基に「脳卒中治療ガイドライン2017」でグレードBと推奨されているが，海外の脳卒中治療ガイドラインの記載とは解離がある。