生体内での多光子ィメージングのための最適化戦略

摘要

医学生物学に用いられるイメージング技術は， 新たな蛍光、発光プローブの開発と光学的観察手 法の進歩を両輪として，より高い解像度、より高 い感度を目指して急速に発展してきた。これに加 えて近年では，多様な生体サンプルをできるかぎ り自然に近い状態で観測したいというニーズが高 まってきている。この傾向は特に脳の高次機能 を研究する神経科学の分野において顕著である。 ソ一ラボ社では，「顕微鏡に合わせて実験を組む のではなく，実験に合わせた顕微鏡を組む」こと をモット一に，生体内イメージングに適した自由 度の高い顕微鏡システムおよびカスタム顕微鏡の 構築に必要な製品を提供している。本稿では，生 体深部での蛍光観察を可能にする多光子レーザー顕微鏡プラットフォームBergamoIIと，直径5 mm深さ1mmという広視野深深度で単一細胞レ ベルの解像度の蛍光観察を可能にする新型多光子 イメージング技術「メゾスコープ」を中心に，い かにして研究の用途に合った生体内イメージング を実現するかを紹介する。