迷路部からの神経再建を刺激装置で直接確認した顔面神経鞘腫術後症例

摘要

内耳道や膝神経節部付近での顔面神経切断後の神経再建で は、回復までに長い期間を要し、回復時のスコア一も低く、 神経再建では工夫が必要である。当科では、顔面神経本幹再建に加えて、舌下神経から顔面神経へのJump graftを一期的 に併用している。今回、顔面神経鞘腫摘出術5年後に真珠腫 性中耳炎を認め、術中に迷路部内耳道付近から第2膝部の神 経再建を神経刺激装置で直接確認出来た稀な機会を得たので、 症例の経過を報告し、顔面神経鞘腫に対する治療法や再建方 法などについて考察する。