病的共同運動発現の予後予測一リハビリテーションの立場から

摘要

現在、末梢性顔面神経麻痺に対するリハピリテーシヨンの 主な治療目的は、麻痺の改善と病的共同運動の軽減で、その 予後に関わる要因を明らかにすることが必要である。麻痺の改善においては初期の麻痺程度、ENoG (Electro-neurogra-phy)、原疾患、随伴症状、その他の検査結果などを指標にし た予後予測報告が多数なされており[1，2]、その予測精度を 高める試みも進hでいる。ところが、現在の主なリハビリテ一 ションの治療目的である病的共同運動に関する予後予測に関 しては、現状ではほとhど報告がない。病的共同運動は麻痺 の改善に伴い、発症から4~6ヶ月の時点でその兆しが発現 する。この病的共同運動の軽減をはかるために早期介入が叫 ばれている昨今、リハビリテーションの臨床現場において病 的共同運動発現を発症早期から予測する必要があると考えて いる。