全国の道路事業における希少植物の保全対策としての移植の現状と工夫:移植困難植物（着生·混合栄養·菌従属栄養）に着目して

摘要

全国各地の道路事業では，事業の実施により動植物や 生態系に影響を及ぼす恐れがある場合には，影響の回避 や軽減を目的とした環境保全措置が行われている（環境 アセスメント学会2013；栗原ほか2013）．平成21年度 から平成24年度の4年間に，全国の直轄道路事業にお いて環境保全措置の一つとして実施された植物の移植事 例は，計83事業309種1，637件あり，最も多い事業で は1事業で15，000株以上の移植がなされている（長谷川ほか2014）．