全周魚眼スマートフォンカメラを用いた水生生物の遠隔モニタリング

摘要

水生生物を対象としたモニタリングでは，水野·御勢（1993）や国土交通省水管理·国土保全局河川環境課（2016）で紹介されているような，水上や潜水による観察，各種漁具，水中カメラや，音響映像装置等の手法が，対象生物や調査環境に応じて用いられてきた．近年は，分析·撮影機器の機能の高度化とともに，バイオロギングや環境DNA分析など簡便で精度の高いモニタリング技術に期待が寄せられている（河連2012；岸野ほか 2014；赤松2015；山中ほか2016；日本アセスメント協会2017）．しかし，モニタリングにかかる人的コストや機器の導入コストの大きさが，長期のモニタリングを実施する上で障壁となっていることが指摘されてきた（清野·永田2010；近藤·権田2012）．これらの問題を打開する方法として，低価格化が進hでいる水中カメラの活用が注目を集めている．